諸外国では「性能規定」を主とする規制方法になっています。

海外の建築基準法

これまでで、日本における建築基準法について、その概要を述べてきましたが、海外では建築基準法のような規定はあるのでしょうか?

 

人の生命・健康・財産を守るため、建築物について、最低限の基準を設けるという目的で設けられている規範は、諸外国にも存在します。

 

しかし、その体系・構造や具体的内容は、やはり国によってまちまちです。

 

まず、体系について。

日本では、「建築基準法」という法律が、詳細な規制について、行政機関が定める政令・省令等に委任する形で、総合的な構造を設けています。

 

他方で、諸外国では、規制権限や手続、基準を設ける根拠等については法律で定めるものの、具合的な建築基準については、公的機関等により設置された独立機関が作成した「モデルコード」などの別の文書を定めていることが多いといわれています。

 

 

そして、何より大きな特徴があるのが、規制の方法です。

諸外国の規制方法は、一定の性質を要求し、具体的な設計方法は裁量に委ねるという、いわゆる「性能規定」を求める傾向にあります。

 

1976年に、北欧5カ国の建築規制当局で構成されうる「ノルディック建築基準委員会」が「NKBモデル」というものを提示し、性能規定化の考え方を示してから、諸外国のモデルコードも、「性能規定」を主とする規制方法になっていったのです。

 

「性能規定」の方法は、設計方法自体には自由度があるため、材料・寸法・形状まで細かく具体的に規定する「仕様規定」よりも、好みの設計やデザインを追及しやすい点に特徴があります。

 

個人の財産権の尊重という意味では、適切かもしれません。
事実、日本の建築基準法においても、従来は「仕様規定」が主だったところ、1998年の改正により性能規定化に考え方が変更しています。

 

地球儀

しかし、他方で裁量が広いがために建物の安全性として十分な規制ができていないという意見もあります。
地震国であるわが国において、性能規定化が絶対的によいかどうかについては、そうした点も考慮する必要があるでしょう。

 

また、諸外国の建築法が「性能規定」を主としているといっても、例えば定量的要件までの具体化を求めるカナダやオーストラリアに対し、アメリカでのほとんどの州では、そうした定量的要件の規定まで要求しない国もあるなど、やはり国によってばらつきがあります。