"個性的""斬新"という言葉でくくってしまうのはカンタンである。しかし、彼らが追い求めているのは、目先にある目新しさではない。彼らが本当に大事にしたいことを、独自のスタイルでしっかり貫いているところから生まれる"新しさ"なのである。
今回は、そんなユニークな魅力でインテリア好きの心を捉えている『ZERO FIRST DESIGN』のプレス担当 山中さんとの対談。こだわりを持って、流行を発信し続けることについてじっくり語っていただいた。
「個性的なラインアップですね」という私の言葉に、「他にはないプロダクトばかりだけれど、ただエッジが効いているというわけではないんですよ」という橋本氏。最初ピンと来なかったのだが、話を聞いていくうちに、次第とその意味が伝わってきた。
ショップを訪れてまず感じた「個性的」という印象は、ZERO FIRST DESIGNの持つコンセプトから受けたものだった。

「ボーダレスな概念でインテリアを捉え、人の記憶に訴えかけるような、ノスタルジーを感じるようなアートピースを基に、エクレクティックな空間作りを目指しています」とコンセプトについて語る、山中さん。「エクレクティック」とは「折衷」という意味である。ここでは、新しいものや歴史のあるもの、また海外のものや日本のものという区別・境はない。すべてが程よく調和し、ZERO FIRST DESIGNならではの新たなかたちが存在しているのである。
古いものを集めたアンティークショップというのは、これまでにも訪れたことがある。そこにはまるでタイムスリップしたような、そんな雰囲気があった。しかしその印象と違うものを、ここでは感じた。それはアンティークの家具がそのまま置かれているのではなく、ZERO FIRST DESIGNにより新たな息を吹き込まれ、そこにあるからなのだろう。そのさじ加減は、実に見事である。
たとえば取材時に座らせていただいた、ある黒い椅子。"シックな椅子だな"と何気なく座らせていただいていたのだが、実はこれもアンティーク家具なのである。「フランスで買い付けたあと、ZERO FIRST DESIGNでリメイクしたものなんですよ」と山中さん。確かに、クラシカルなデザインの椅子だ。しかし現代のインテリアにもしっかりマッチングする印象を受ける。そう、これが商品ひとつひとつに存在する、ワンテイスト加えられたZERO FIRST DESIGNらしさなのである。
そんなZERO FIRST DESIGNの商品を、ぜひこのほかにも紹介したいと思う。紹介できるのはごく一部だけだが、それらの商品からだけでも、前述のコンセプトやこだわりが、充分感じられるはずだ。
見る者を引きつけて放さない。それくらいのインパクトを持つZERO FIRST DESIGN。対談中にも、たくさんの商品の話が挙がった。これらの商品がどのように集められ、店頭に並ぶのかというところをまず山中さんにうかがった。
「うちのショップでは、ドイツやフランス、オランダをはじめ、世界中のいろんな場所で直接買い付けをしています。さまざまな時代背景を持っている、ひとつひとつのものを独自のコンセプトに基づいてセレクトしております。また家具は、セレクトしたものにZERO FIRSTが感じる今をミックスして、リメイクしています。そしてZERO FIRST DESIGNオリジナルの商品として皆さんにご提案しているんです」
そう語る山中さんの言葉から、ZERO FIRST DESIGNの商品から感じた、古きものの中にある"新しさ"の訳が分かったような気がした。コンセプトの話にもあったが、「エクレクティック(折衷)」という主義を、実際の買い付けから貫いているのだ。
そんないい意味で独自のプライドを持ってセレクトされている商品には、どのようなものがあるのだろうか?たくさんあるZERO FIRST DESIGNの商品の中からぜひ注目したいものについて、ショップ内を見て回りながらお二人にご紹介いただいた。
● 動物の頭骨/昆虫や貝の化石 from フランス

「究極のフォルムだと思います」と山中さん。進化を重ねて辿り着いたフォルムは、人為的に作ろうと思って作れるものではないということだ。
また、化石や頭骨は特にZERO FIRST DESIGNのコンセプトにピッタリと当てはまるものなのだそう。ショップでもアンティーク家具に静かに寄り添う、そんな特別な存在感だった。
● オリエンタルなアンティークキャビネット form チベット

シンプルなモノトーンの色づかいが多いZERO FIRST DESIGNの商品の中で、ひと際異彩を放っていたのがこのキャビネット。これも100年以上前に作られたチベットのアンティーク家具なのだそう。
「チベットの商品は、他のインテリアショップでもなかなか触れる機会がないと思います。ZERO FIRSTならではの美意識が光ってますね」
と橋本氏。
● ワニ皮のオブジェ from タイ

取材時、ショップ入り口のところにレイアウトされていたため、入るときから目を引いていたワニ皮のオブジェ。よく見るとワニそのものである。山中さん曰く、「タイで買い付けしたあと、染色したものです。もちろんホンモノですよ」とのこと。
「どうやって使うの?という感じですが、ショップディスプレイや展示会等、インパクト重視のスタイリングには、打ってつけのアイテムだと思います。これぞ、ZERO FIRSTのアイテムですね!」と橋本氏も大絶賛だった。
● むらさき牡蠣を使ったボックス from フランス

どこか懐かしい印象を受けるこのボックス。外側にむらさき牡蠣の貝殻を使っているボックスなのだそう。輝きすぎない色合いは貝そのものの色だ。ちなみに内側は木製。「ほかにも、からす貝と真鍮のものやうなぎの皮を使ったものもあります」とのこと。
また橋本氏は別の視点からも注目。
「もちろんデザインやリペアのスタイルも独自の考えがしっかり貫かれていますが、その素材に対する目の付け所こそ、さすがデザイン事務所!と思います」と話していた。
● クッション from フランス

フランスのブランド「Frederique Morrel(フレデリック・モレル)」のクッション。文句なしに良いモノ!と語る橋本氏自身、欲しいくらいなのだという。山中さんの説明によると、ニードルポイントという刺繍を施したヴィンテージ生地を、コラージュしたものなのだとか。デッドストックの伝統ある工芸品をリメイクして、現代に蘇らせるという、古いものを大切にしながら、新しいものを発想する感覚がステキな商品だ。
橋本氏曰く、「どこに置いても良い意味で存在感がありすぎるくらいなので、置く場所を選ぶと思いますが、ぜひトライしてみて欲しいですね」とのこと。
このような魅力的なものを集め、時にはリメイクを施し、新たな商品を作り出すことは、ZERO FIRST DESIGNならであるが、それらを目にする人々の琴線に触れるような"見せ方"を作り出すのも、ここZERO FIRST DESIGNの大きな特徴である。そんなコンセプトを生かしたショップ作りのこだわりについて、再び山中さんに語っていただいた。
ZERO FIRST DESIGNのショップは、インテリア好きなら知っている、通っているという人が多いショップだが、特にアパレル関係の方々の中には足繁く通うという人も多いのだという。
「アパレルショップ内のインテリアとして、また展示会などのディスプレイ用として、選びに来られる方が多いですね」と山中さん。ショップのある代官山という土地柄もあるだろうが、他にはない商品が揃う場所だからこそということも言えるだろう。橋本氏も「スタイリストをはじめ、出版やアパレル、映像関係など感度の高い方々の来店が多いのもうなずけますね」と話す。
そんな多くのインテリア好きに愛されるZERO FIRST DESIGNは、独自のプライドを持って集めた商品を、より魅力的に見せることにもこだわり続けている。

そのひとつは、ショップのショーウインドウ・ディスプレイ。だいたい2カ月に1度くらいのペースで入れ替えを行っているそうだ。ウインドウが面しているのは、旧山手通りである。日頃から交通量が多い場所だ。インテリア好きならずとも、さまざまな人の注目が集まることだろう。
橋本氏自身も、よくお店の前を通るそうなのだが、ディスプレイにはついつい目が留まり、見入ってしまうこともあるのだとか。彼は「旧山手通りのアイコン的存在のお店ですよ」とも語る。
「ショップの顔とも言えるウインドウのディスプレイには、やはりこだわりがありますね。みんなでおもしろいこと、ZERO FIRST DESIGNらしさをじっくり話し合い、イメージを考え、作り上げています」と山中さんは話す。

今回取材にうかがったときには、冬の季節を思わせるようなホワイトを基調としたイメージだった。季節ごとに変わるウインドウ・ディスプレイ。それを眺めるだけでも、ZERO FIRST DESIGNならではのインスピレーションを感じられそうだ。
そしてもうひとつは、ショップ内のディスプレイ。ショップならどこでもそうだが、商品などをじっくり見てもらうため、ディスプレイにはこだわっているものだ。ではZERO FIRST DESIGNではどうなのだろうか?
「私たちは、モノの見え方・見せ方はひとつではないと考えます。ディスプレイに正解はありません。ただモノひとつひとつが持つさまざまな表情を引き出していきたいなと考えています」
思いがこもった商品だからこそ、こういう気持ちや工夫が生まれてくるのだろう。そんなふうに語る山中さんの言葉に、冒頭から一貫して語られるZERO FIRST DESGINが大事にし続けていることを感じた。
そもそもはデザイン事務所からスタートしたという、ZERO FIRST DESIGN。インテリアショップとしてオープンした当初からのコンセプトやスタイルはぶれることなく、今日も多方面から注目を集めている。
「基本的にインテリアは、見た目のカッコ良さももちろん重要ですけれど、ただカッコイイだけでなく、そのモノが持っているバックボーン、つまり背景がしっかりしているモノには、自然と引きつけられるものなんです」と橋本氏。最初に語っていた「ただエッジが効いているというわけではない」という言葉の意味が分かったような気がした。
自分たちの思いに妥協しないというZERO FIRST DESIGNが目指すのは、「ショップからのトレンド発信」。これからもオリジナルのスタイルや商品を通して、ここから発信され続けることだろう。
ZERO FIRST DESIGN
東京都目黒区青葉台2-3-1 小杉ビル1F
tel: 03-5489-6101
http://www.01st.com/
営業時間:11:00〜20:00
定休日:不定休
今回お話をうかがったのは...
プレス担当の山中 貴史さん
記事の中でもご紹介していますが、山中さんには、今回取材中、ショップ内を周りながらひとつひとつ商品を手に取り、紹介していただきました。「気になるモノがあれば何でもおっしゃってください」と言っていただいたのをいいことに(?)遠慮なくあれこれと質問する編集部。それにも関わらず、すべて丁寧に答えていただきまして、山中さんの優しい人柄がとても伝わってきました。
また取材途中から、ZERO FIRST DESIGNスタッフの馬場さんもご登場〜。一緒に写真撮影などをさせていただきました。
ZERO FIRST DESGINから
インテリアデザインにおける
新プロジェクト"PROVOKE"が
スタート!
2010年という区切りで始まる新たな10年を迎えるにあたり、インテリアデザインシーンは、従来ときっぱり決別した新しい価値観/表現をもとにしたアクションを、限定化しない広い領域に向けて行うことが求められる局面に立っています。
その先駆け的なアクションをここ日本でも行うにあたり今回のプロジェクトが発足いたしました。
ファッションデザイナーが考える新しいインテリアデザインを発表いたします。
H.I.D + ZERO FIRST DESIGN PRESENTS
"PROVOKE"
Dawn of the New Decade for Interior Design
"PROVOKE"とは...
ファッション×インテリアの新たな試み。ファッションデザイナーが家具をデザインするとどうなるのか。
5人の人気ファッションデザイナーがインテリアという領域に挑みます。
橋本直征氏 プロフィール
赤松珠抄子氏に師事後、独立。
2004年よりインテリアスタイリストとして
主に雑誌、広告、TV-CFなどの
分野を中心に活動。
また、ミュージックビデオや
企業のディレクション等も手掛け、
2009年からは、写真制作にも取組み
その活動は多岐にわたる。
http://naoyuki-hashimoto.com/
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