最近一緒に仕事をした方で、おもしろいショップをやっている方がいらっしゃるので、会ってみませんか?という橋本氏のお誘いで、今回の取材を敢行。
「Dumilo&DECOR(デュマイロ&デコ)」というビンテージ家具などを扱うショールームの代表 杉田さんとの対談です。
まず、前編では杉田さんがロサンゼルスに渡り、のちに独立、そして帰国し現在までの話や、具体的にどういう仕事をされているのか?という杉田さんの背景や「Dumilo&DECOR(デュマイロ&デコ)」に迫ります。
そして、後編ではロサンゼルスでのインテリア事情や海外の視点から見た、今の日本の"インテリア"の立ち位置など、感じていることについても語っていただきます。
アメリカ・ロサンゼルスでの暮らしが長く、そちらで独立されたという杉田さんの視点は、非常に興味深く、新鮮でした。皆さんにも何か気付きのきっかけになればと思っています。
「 Dumilo&DECOR×橋本直征」後編はこちら
学校を卒業後、雑貨系の小売業界でバイヤーとして社会人生活をスタートさせた杉田さん。しばらく働いているうちに、海外で働いてみたい!と思うようになったのだそう。
「今までやっていた仕事のスキルを生かせる分野で...と考えると仕事は限られていましたが、その中で選んだ職場が、日系のスーパーマーケットでした」
それまでも海外旅行に出かけることはあったが、仕事を含め生活の拠点を移すのは初めてのこと。それでも憧れの海外で働くチャンスを得た杉田さんは、迷うことなくロサンゼルスに渡った。28歳の時だったという。
「そのスーパーマーケットでは、5年間働きましたね。その間に、古着の買い付けをやったり、向こうで仕入れた品をオークションで販売したり。そちらの仕事が充実してきたのでその後、独立しました」
独立後も引き続き、日本から依頼を受けたビンテージ家具や雑貨などのオークションに代理参加し、商品を購入。日本の依頼主へ送付するという仕事をメインに行っているのだそう。
またそれらの仕事を通して出会ったのが「Environment Furniture(エンバイラメント・ファニチャー)」という家具メーカー。環境・エコロジーを考えているメーカーで、アメリカのショップは、環境イベントの会場にもなるくらいなのだという。
「"Environment Furniture"では、アンティーク家具をそのまま横流しするのではなく、廃材などを家具として再生させています。新旧の融合ですね。そういう考え方にも非常に共感し、そして何より自分自身が欲しい!と直感的に思ったんです」
ぜひ日本でも売りたい、日本人にも紹介したいと惚れ込んだ杉田さん。さっそくオーナーの元に通い続け、日本の正規代理店にさせて欲しい!と頼み込んだのだという。非常にアグレッシブな彼の一面が伝わってくるエピソードである。
Environment Furnitureのオーナーからの代理店になる条件は、「私たちの考え方に賛同し、ともに育ててくれる人」ということだった。結果、その条件を見事クリア。杉田さんは日本のみならずアジア圏を取り仕切る、正規代理店となったのである。
そうして杉田さんが立ち上げたのが、Dumilo JAPAN。"アンティークを持つこと=リサイクル"というコンセプトで、Environment Furnitureの家具をはじめ、インテリア雑貨等の販売を行っている。
「日本でEnvironment Furnitureの家具を紹介するフラッグシップ店を、帰国して表参道にオープンしました。そこで1年半営業していましたが、2010年12月に江東区青海に移転してきました。アポイントメント制のショールームという形態に変更したんです」
Dumilo&DECORを訪れるお客さんは、扱う商品ゆえ、セレブリティな方がメイン。なのであえて、予約制というスタイルにしてみたのだという。限られたターゲットに合わせた営業スタイル。これこそ知る人ぞ知る...な空間だ。
今回は、そのアポイントメントした方しか入れないショールームに招いていただき、取材させていただいたのである。
Dumiloが考える、"アンティークを持つこと=リサイクル"についてもう少し詳しくご紹介していこう。
なぜ、アンティーク家具を持つことがリサイクルにつながるのだろうか?
「Dumiloで扱っている"Environment Furniture"は、ブラジルの古材、廃材をインドネシアで加工、イタリア人デザイナーがデザインし、家具にしています。新たに木を切って木材に加工するのではなく、使える資源を加工して作る。そういうところがひとつ、リサイクルにつながっていると思います」
また、アンティーク家具などを選び使うということは、かつて作られてまだ家具として使えるものを選ぶわけなので、そういうところもリサイクルだと杉田さんは語る。

「いいものだから高くてもアンティーク家具を選ぶというのだけではなく、環境・エコロジーのことを考えて選ぶというアプローチで、私たちは家具を紹介し、販売していきたいと考えています」
このDumiloの考え方を聞き、"おもしろいアプローチだと思う"と語る橋本氏。
「日本では多くの方が、アンティーク家具を美術品と同じように考えていないでしょうか。このデザイナーが好きだから、家具をコレクションしたいと。でもコレクションすると大事にしすぎてしまって、使えない場合が多いと思うんです」
「家具は実用品。使ってこそ家具は生きると思うんです。だから私たちが目指すのは、敷居の低いアンティークショップ。高価な美術品を売っているのではなく、使うための中古家具を扱っているんです」
杉田さんはそのように話す。
その考えにはとても共感できるものがある。好きな家具を置いて、眺めるのもいいかもしれない。でもその家具の役割を考えると...どうなのだろうか?
さてここから先は、ぜひ後編でしっかりとご紹介したいと考えている。杉田さんの想い、そして日本のインテリア業界の現状を見つめる橋本氏の意見をそれぞれ交えながらまとめていこうと思う。
また以前にも何度か、インテリアンの中で話題に挙がったことがあり、橋本氏も繰り返し述べていることではあるが、日本では「インテリア」の優先順位がまだまだ低い。その件についても引き続き、後編で触れていきたいと思っている。
「 Dumilo&DECOR×橋本直征」後編はこちら
今回お話をうかがった、杉田さんが代表を務める「Dumilo JAPAN」。そのDumiloのショールームが江東区青海にある「Dumilo&DECOR」です。
今回の取材の場所
「Dumilo&DECOR」ショールーム
こちらのショールームは、事前アポイントメント制という、ユニークな形態で運営されています。
お問い合わせ先など詳しい情報は、Dumiloオフィシャルサイトにてご確認ください。
橋本直征氏 プロフィール
赤松珠抄子氏に師事後、独立。
2004年よりインテリアスタイリストとして
主に雑誌、広告、TV-CM美術などの分野を
中心に活動。
また、ミュージックビデオや企業のディレクション、セレブリティの邸宅等も手掛け、
2009年からは、写真制作、発表にも精力的に取組み、その活動は多岐にわたる。
http://naoyuki-hashimoto.com/
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